ユップ・アイケンブーム(主講師)
Joep Eikenboom
教師、WLS共同運営者
教員になる学びを深めていた20歳の時、教育制度に対する失望感が増しました。教育が、まるでリストに載せた事柄をこなすように単に知識を伝達するだけでなく、どのように生涯続く健康と強さを子どもに与えることができるのか、それが私の最大の問いでした。
私のピアノの先生が、私をシュタイナー学校に出会わせてくれました。3年間カトリックの学校で勤めた後、オランダのロッテルダムにあるシュタイナー学校でクラス担任になりました。その6年後の夏、オランダ人の同僚 Else Göttgens の紹介で、オードリー・マッカーレンと出会ったのです。
すると、現代の子どもに関する私の疑問に、オードリーは答えることができたのです。オードリー・マッカーレンによって人智学より考案されたエクストラレッスンに焦点をあて、私は8年の間、教育支援教員として働く機会を得ました。
同僚達からの助言、そしてオードリー自身からの助言を得ることで、私はシュタイナー教育とエクストラレッスンについての知識と経験を深めていきました。
それ以来、私自身の経験と研究を、世界中の同僚達と共有する機会に恵まれています。アメリカ、ブラジル、ドイツ、ハンガリー、フィンランド、スペイン、日本、ベルギー、フランス、そしてもちろん母国のオランダでも。
自分の研究の記録を著書『Foundations of the Extra Lesson』に記録していますが、正直に申し上げると、この取り組みは未だに現在進行中の過程なのです。
ドルナッハのゲーテアヌムで開催される教育支援教員の大会でも、講義やワークショップを担当しています。
エリカ・アイケンブーム(水彩)
Erica Eikenboom-van nierop
絵画療法士
私は彫刻、線描そして水彩などの絵画を扱う視覚芸術家です。ロッテルダム・アート・アカデミー (現 ウィレム・デ・クーニング・アカデミー)で学び、彫刻を含めた色々な芸術作品を、様々なテクニックで生み出しました。
私は芸術家としての歩みの後半で、リアン・コロー・デルボアの水彩の講座を受け、オランダのデン・ハーグにあるエメラルド・ファウンデーションという学校で、人智学の芸術療法のトレーニングを修了しました。
その後、オードリー・マッカーレンの取り組みと、リアン・コロー・デルボアの取り組みとが、とても密接に関係していることを発見したのです。そして、このつながりから、エクストラレッスンで取り組む内容に、いくつかの水彩エクササイズが追加されています。
ラクシュミー・プラサンナ(医療講義)
Dr. Lakshmi Prasanna
小児科医
私は25年間の小児科医(新生児科医)としての経験があります。
個人の施設を開業する前は、インドのチェンナイにあるアポロ病院で子どもの発達に携わる部署の部長を務めていました。その後1997年にインドのハイデラバードにリトル・ハート子ども病院を設立しました。また、2004年にはスペシャルニーズの子どもと発達に遅れのある子どものための、癒しと治療教育の施設サーンディーパニをハイデラバードに設立しました。
私は、子どもの発達や治療に統合的なアプローチを使います。アプローチには医療相談、学校での教員養成のワークショップ、親向けの子どもの発達に関するワークショップ、そして家族との面談が含まれます。
インド、ネパール、シンガポール、オーストラリア、そして最近はアメリカでも活動しています。
これまでの取り組みにおいて主要な焦点となる活動は、オーストラリアのシュタイナー学校での校医としての関わりです。インドのアントロポゾフィー医学セクションの長も務めていましたし、健康と健全に焦点を当てた統合的なアプローチはさまざまな地域でとても評判良く受け入れられています。
サリー・ゴダード・ブライス (講義)
Sally Goddard Blythe
理学療法士学修士、前INPP所長
私は、2000年-2024年に神経―生理心理学の施設(INPP)のディレクターを務め、子どもの運動発達についての本を8冊出版しました。子ども時代の反射について、その役割や影響を語った最初の出版本は、最も頼りになる本として知られています。
INPPは、特定の学習困難と学業不振の根底にある、身体的な要因を特定するアセスメント手法の発展に特化した、研究・臨床・研修のための民間団体として1975年に設立されました。
私の最初の仕事は、臨床現場で子どもとその家族にINPPのプログラムを指導することでした。
INPPスクリーニング検査と学校用の発達段階の動きのプログラムを1996年に開発しました。広範囲にわたり、英国とその他の世界の多くの学校現場でプログラムは使用され、公共教育部門に通う子どもがアクセスできるようになっています。
世界中で実施されているINPPに認可されたコースで使用されるINPP手法の利用における研修素材の標準化も導きました。
現在14カ国でINPPのトレーニングを受けることができます。
発達における幼児期の反射と後の学習における困難さについて、講義や研修をヨーロッパ中の様々な団体に実施してきました。
ブリュッセルの欧州議会の子どもの福祉に関する活動をしている政党や、庶民院の党派を超えた委員会、そして、アメリカ各地の専門家の団体も含まれます。
発達と学業成績における、未熟な神経運動スキルの発生とその影響について、数々の研究論文も執筆しています。
現在は、自由診療、講義、インタビュー、研究、そして相談役としての活動に焦点を当てています。
イングン・シュナイダー(講義)
Ingun Schneider, M.A.
理学療法学修士、WLS共同運営者
私は1960年代の中頃から理学療法士としての経験を積み始めました。
70年代中頃にはラマーズ法の指導者に、そして80年代初期にはシュタイナー学校の教員養成をルドルフ・シュタイナー・カレッジで受けました。
その間オードリー・マッカーレンから直接学ぶ機会を授かり、2010年に彼女がこの世を去るまで、オードリーは私のエクストラレッスンの取り組みを導いてくれた恩師となりました。
サクラメント・シュタイナー学校での8年間のシュタイナー教員としての取り組み、学習支援の個人的な取り組み、教育コンサルタント兼指導者としての世界中のシュタイナー関係の共同体との関わりにも、オードリーの存在は大きな影響を与えてくれました。
1991年には、教育の分野における治癒的な支援プログラムをルドルフ・シュタイナー・カレッジで共同開発し、指導者兼共同運営者として2017年に最後の生徒となる12期生が卒業するまで勤めました。
1990年代には、オードリー・マッカーレンの主な著書である「エクストラレッスン」を彼女と共に改訂しました。ルドルフ・シュタイナー・カレッジによって1998年に初版が出版された版が、この共同作業の終着点です。その最新版が2013年に出版されています。
また、その数十年の間に、シュタイナー学校の親がアクセスできるようにしたAWSNAの出版物のいくつかの記事の更新も手がけました。
空間ダイナミクス・インスティテュートのトレーニングも卒業しており、人智学協会の会員でもあります。
私はこれからも、世界中のエクストラレッスンのトレーニングにおける顧問と指導者としての役割を継続していきます。
ヤップ・ファンデルヴァル(胎生学)
Jaap van der Wal PH.D.
博士号取得、医学の博士号取得、内科医
2012年に退職するまではオランダのマーストリヒト大学の准教授として解剖学と胎生学の教鞭をとっていました。
1973年に医療研修を終えてからは、姿勢系と筋骨格系の機能解剖学を専門にし、結合組織と筋膜の構造、そして固有受容核における役割に焦点を当てました。
次第に、科学的哲学そして医療人類学について教えるようになりました。
「私の情熱はいつも人間の胎生学にあります。人間の身体とは時間をかけて発達し機能するプロセスです。人間の胚は、形として動き振る舞います。ゲーテの現象論的なアプローチに出会ったのがこの領域です。子宮の中にいる時に人間として実際に何をしているのか、それを理解するために動的形態学を適用します。人間が存在する意味の答えを、胚の中に敬意をもって見つけます。」
現在、主にヨーロッパとアメリカで“胎生・哲学”とも呼べる内容を教えています。コースは、頭蓋仙骨セラピー、オステオパシー、ポラリティセラピーだけでなく、周産期メンタルヘルス、トラウマセラピー、ソマティックエクスペリエンスにも開かれています。ルドルフ・シュタイナーの人智学に閃きを得た私の対面セミナーもオンラインセミナーも、人間の精神と身体を開かれた心で探求する者、科学と精神性の間に端を築こうとする者全てに開かれています。